©　Pâtissière Yuka　

レストランの最高名誉（だとも言われる）
ミシュランの三ツ星。

ところが２００８年、
ブルターニュ地方カンカルの
三つ星レストラン

「メゾン･ド･ブリクール」の
オリビエ･ロランジェ　シェフは

その三つ星を返上したことで
話題になりました。

(実際には返上したわけではなく
三ツ星決定の最中、シェフの健康上の理由から
レストランを閉店したというのが真相だそう。）

（今は、カンカルの岬にあるホテル
「ル・シャトー・ルシュー(RICHEUX）」内の
ややカジュアルなレストラン
「ル・コキアージュ」にてシェフ監督の料理が頂けます。）


ロランジェ　シェフといえば

ブルターニュの新鮮な魚介類や
フランスでは珍しい海藻などの素材を

卓越したセンスで調合した
ミックス・スパイスを用いて

新たなものに変身させる
オリジナルの料理で名高い方。

そんな「スパイスの魔術師」である
ロランジェ　シェフが
パリに出されたスパイス店が

こちらの
「エピス・ロランジェ」です。


レストランがあった
「カンカル」という港町の
お隣にある「サン・マロ」は

古くから海賊船が
合法的に発着することができる
港だったので

遠い国からの珍しい香辛料が
フランス内で
一番豊富に手に入る港町。

そんな環境で
スパイスの研究を長年されてきた
ロランジェ　シェフならではの
オリジナリティーあふれる
秘密のミックス･スパイスが

パリにいながらにして
たくさん手にすることができる
夢のようなお店なのです　♪



お菓子を作る私にとって
最も特筆すべきは・・

ヴァニラのクオリティーとその種類！！
もう、圧巻ですよ！


産地ごとに１２～１８種類も！！
貴重なものばかり。


これらのヴァニラを
保存している

地下のカーブを
案内してくださいました。

室温を18~20℃　　
湿度を70%　に調節して
大事に保存してあります。


ええ、全種類、
大人買いして
研究しましたとも　♪


野生ヴァニラの原産国は
どこだかご存知ですか？

ヴァニラといえば、
マダガスカルが有名なので
マダカスカルかと思っていたら・・

"メキシコ"のヴァニラが
オリジンなんですよ。

キャラメルのような甘い香りが
メキシコ産の特徴。

全ての種類を
一同に香ることで

その香りの差が
すごくよく勉強になります。

木のような香りがするものもあれば、
プルーンのような香りがするものあれば、
穏やかな優しい香りのものもあれば
パンデピスのような香りのものもあれば
お花のブーケのようなものも・・・。



最も高価なものが
"タヒチ"のもの。

この太さったら・・。
（お値段もすごいですけどね。）

バニラの粒の大きさも、
口の中でプチプチするほど！

同じタヒチ産でも、
採れた島により2種類あります。

白いゆりのような上品～な香りに
ただただ、うっとり。


この超レアなタヒチヴァニラを
た～～ぷりと使用した
ホワイトチョコレートの軽いムースを
こんなデザートにしました。
（2011年ホワイトデーレッスン）



ミックス･スパイスも
たっくさん。

中でも私のお気に入りは・・

＊"Poudre　EQUINOXIALE"　（シナモン、バニラ、黒胡椒などのミックス）

このスパイスは
お菓子との相性が良いと思うので


↑　こんな風にショコラ･ショーに入れたり・・
ムースやサブレに混ぜ込んだり・・


↑　私のスペシャリテのひとつ、
"cake　aux　fruits　de　luxe”のスパイスも
贅沢にも、こちらのものを。


↑　お料理では
かぼちゃのブルーテや
じゃがいものピュレに
少々混ぜ込むのがおすすめです。




＊"Poudre　DEFENDUE”　（グリーンアニス、生姜、シナモンなどのミックス）

このスパイスは
お料理によく使っています。


↑　グージェルにかけたり・・


↑　ほたてのカルパッチョの仕上げに・・


↑　この時のアボガドのムースにも
ちょっぴり隠し味に。

ラタトゥイユにも◎ですよ。

エピスをちょっぴり入れるだけで
何倍も奥行きのある味になるのが不思議！

（簡単料理しか作れないからこそ助かるっ♪）


お店の方がプレゼントしてくれた
"Poudre des Bulgares" は
椰子の樹液からとるシュガーに
サフランや白ゴマバラの花入り。
カスタードクリームに混ぜ込んでも
◎でしたよ。


各国から集められた
珍しい胡椒たち。




キャラメルのような香りのする胡椒
"　Kampot Rouge　"で

赤桃のセミコンフィを作り
レッスンのおまけのデセールに
お出ししました　♪











お土産におすすめなのは
絶品の"ガレット"と
"キャラメル・ブール・サレ"
"プラリネ・アンシェンヌ"。





次の記事では
2001年夏に伺った
今はなき「メゾン･ド･ブリクール」の
レストランのレポをしますね。




-Epices　Roellinger Paris-

51　bis,　rue　Sainte-Anne　75002　paris

営業時間　：10:00~19:00

休み：　日曜、月曜